J1リーグ第38節 名古屋対浦和

2021.12.4(土) 14時 豊田スタジアム
観客 27079人 主審 村上伸次 副審 大川直也、日比野真

 名古屋グランパス 0(0−0)0 浦和レッズ
           (0−0)

今季最終戦。現地観戦。
シャビエルの名古屋での最後の試合。

名古屋の先発は、DFが宮原、中谷、キムミンテ、吉田。ボランチは稲垣と木本。ちなみに長澤は警告累積で出場停止。前4人は相馬、柿谷、マテウス、前田。

前半の名古屋は守備的な試合運び。相馬がおもに吉田との連携から、左サイドを攻め上がる場面は結構目についたけれど、ゴール前が薄くて、そこからゴールを脅かす展開にはほとんどならなかった。右からのマテウスや、前で前田や柿谷がボールを持った場合も同様。前半、ほぼ唯一の決定機は、半ばにマテウスがミドルで撃ち込んだシュート。浦和GK西川にファインセーブされたが。
守備は浦和の整った攻めをよく防いでいたとは思う。浦和は今年ビジターで見た試合よりもしっかりチームが出来ていて、複数のベテランが今季限りでチームを離れるのも無理はないかという感じ。ただ、ゴール前でいまひとつ迫力がないのは名古屋と一緒で、惜しい場面は作るものの、決定機までは至っていなかった。そこは名古屋の守備の手堅さも発揮されていたかな。
名古屋が前半守備的なのはよくあることだし、後半はペースを上げてくるかと思ったが、システムを4バックから3バックに変えた影響もあってか、いくらか前に向かう積極性が出てきた気配はあった。とはいえ、ゴール前の薄さは解消せず。57分に前田に代え、トップに山崎が投入されても、状況に大きな変化は見えなかった。
69分に森下とシャビエルが入る。すぐ後にシャビエルが、ゴール正面でボールを受けてミドルシュート。しかし枠をわずかに外れてしまった。決まっていれば劇的だったんだが。
そして71分に、CKから浦和にゴールにボールを押し込まれる。しかしこれは、浦和の選手のポジショニングの問題で、VAR判定の結果、オフサイドになり、ノーゴール判定で救われた。かなりラッキーだった。ただ、後半は割と名古屋が攻める試合展開だったと思うけれど、このあたりからまた浦和が優勢になってきた印象。
そこから後、名古屋がきわどい場面を作ることはなかった。どちらかといえば、浦和の方がゴールに迫っていて、87分にはCKからボールがゴールに入る場面もあったが、これは明らかなオフサイドでノーゴール。
結局、スコアレスドローで終了。いかにもシーズン最終戦の消化試合らしい、盛り上がりを欠いた試合だったと思う。

正直、シャビエルの退団セレモニーや、今季限りでJリーグの審判から勇退するので、これがラストゲームだった主審の村上さんを送るイベントの方が、ずっと印象に残った。
名古屋は、ルヴァン杯優勝のあと、急速に失速してしまった感がある。ハードスケジュールの中で、無理を重ねてやってきた反動と思えば、仕方ない面はある。来季はACLがない分、楽になりそうには思えるが、その分、だいぶ大所帯になっている今の戦力がどこまで維持されるんだろうという気もする。

と思っていたら、戦力どころか監督が交代になることが発表された(12/9)。
監督交代のいきさつに思うことは山ほどあるけれど、ここには書かない。ただ、さすがに来年は心配ないだろうと思っていた降格戦線への参入も、十分ありえるような気がする。いやな感じがする。取り越し苦労ならいいんだが。
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浦和のゴール裏。試合中の発声などで、場がかなり荒れた感じ。
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Jリーグでの最後のレフェリングだった村上さん。試合後は両チームの選手による胴上げも。
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名古屋での最後の試合だったシャビエル。2017年は本当に世話になったし、チームに長く居てくれて、うれしかった。
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試合後の記念撮影。マッシモも居る。これが見納めになるとは、この時は知らなかった。
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J1リーグ第37節 C大阪対名古屋

2021.11.27(土) 14時 ヨドコウ桜スタジアム
観客 10313人 主審 松尾一 副審 中野卓、勝又弘樹

 セレッソ大阪 2(0−0)1 名古屋グランパス
         (2−1)

 得点 67分 名古屋・柿谷
    80分 大阪・藤田
    87分 大阪・西尾

DAZNでライヴで見ていた。

先発は前節から変わらず、DFが宮原、中谷、ミンテ、吉田。ボランチは稲垣、木本。前は、相馬、前田、柿谷、シュヴィルツォク。

序盤からセレッソに優勢に試合を運ばれた。ディフェンスの裏を狙ったパスやセットプレーから、決定的な場面を度々作られたが、ランゲラックが何度もスーパーなセーブを見せて、失点を免れた。しかしまあ、こういう展開だと、そのうち決壊するパターンだなと思いながら見ていたが、何とか持ちこたえて、前半はスコアレスで終了。名古屋にも惜しい場面はあったとはいえ、明らかに劣勢な展開だったけれど、ルヴァン杯決勝を考えると、これは前半は割り切って守備的に運んだ名古屋のペースと言っていいのか?、という感じ。

ハーフタイムに前田と木本をマテウスと長澤に入れ換えて、後半スタート。
マテウスの積極的な仕掛けもあって、名古屋は前半よりも攻撃的に試合を進めた。55分にはシュヴィルツォクと相馬を山崎と齋藤に入れ替え、さらに攻勢を強めた。
それが効を奏したのが67分で、FKを起点にボールをゴール前へ入れていき、山崎が落として、そのボールを中谷が合わせ損ないつつも柿谷へ繋ぎ、柿谷が芸術的なバイシクルシュートを決めた。今年見た中で、最高に華やかなゴールだったかもしれない。
狙い通りの先制点に見えたから、これで後は守りきってお馴染みの1対0勝利かと思ったが、そううまくは行かなかった。
直後からセレッソの猛攻に次第に防戦一方になり、自陣から出られない。ランゲラックが好守連発などで凌ぎ続けたが、80分に、ついにFKのクリアボールを、ミドルで撃ち込まれて失点。さらに87分にはCKから頭で叩き込まれて、勝ち越し点を奪われ、そのまま終了。

先制した後、守りきる展開に持ち込めなかったのは、セレッソの勢いに圧されたか。ホーム最終戦で、今季で引退する大久保のホーム最終戦でもあったから、セレッソの意気込みが違ったのは確かとは思える。
ただ、名古屋も少し変だったかもしれない。ACL出場権獲得の可能性を残すためには負けられないという意識が強すぎたのか。というか、名古屋というよりマッシモが、選手交代のタイミングや、ハーフタイムや試合後のコメントを見て、いつもよりも冷静さを欠いていたように感じたのだけど、考えすぎかな。まあ、このところ、先行しても、その後、守備が持ちこたえられない試合が多いし、単純に、これもそういう試合だったと考えてもいいのかもしれない。 
とりあえず、リーグ3位以内でのACL出場権の獲得はなくなった。残り1
試合の結果で4位に入って、天皇杯の他力本願でプレーオフ経由で出場する可能性は残るけど、それはいろんな意味で、あまり考えないほうがいい気がする。

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J1リーグ第36節 G大阪対名古屋

2021.11.20(土) 14時 パナソニックスタジアム吹田
観客 16343人 主審 木村博之 副審 越智新次、浜本祐介

 ガンバ大阪 1(0−3)3 名古屋グランパス
        (1−0)

 得点 8分 名古屋・シュヴィルツォク
    22分 名古屋・柿谷
    29分 名古屋・シュヴィルツォク
    53分 大阪・パトリック

2018年以来の吹田での現地観戦。ワクチンシートでの観戦で、ここはホームエリアだったはずだけれど、名古屋サポが大量に紛れ込んでいた。自分は一般客モードで、名古屋サポ的なリアクションはほとんどしなかったつもりだが、名古屋ユニを着ていて係員にチェックされるサポが目立ったし、一応ホームエリアなんだから、ちょっとどうかな的な光景は結構あったと思う。自分に見えた範囲では、トラブルまでにはなっていなかったけれど。

先発はDFが宮原、中谷、ミンテ、吉田。ボランチは稲垣、木本。前は、相馬、前田、柿谷、シュヴィルツォク。

前半は圧倒的な名古屋ペース。前の試合から2週間のインターバルで、ここまで元気になるのか、と思うくらい、選手の動きが軽快に見えた。逆に言えば、前節まではそれだけ疲れていたということか。
立ち上がりから決定的な場面を続けて作り、8分に、相馬が左サイドを抜け出して、中へボールを送ると、シュヴィルツォクがきっちり決めて早々と先制。22分には右サイドを前田が破り、中の柿谷に送って2点目。さらに29分、左サイドから相馬が起点で、またシュヴィルツォク。
ガンバも決して動きは悪くなく、ゴール前に攻め込まれる場面もあったけれど、名古屋は持ち前の堅守を発揮して、粘り強く守った。カウンターから攻められる場面も、攻守の切換の速さで、うまく凌ぎ続けた。その一方で、速い攻撃でガンバの守備を脅かし続けた。
名古屋って、こんな強いチームだったのか、と思う前半だった。特に相馬が本当に切れていた。

しかし後半は一転。ガンバの選手交代が機能したのと、戦術的な指示もあったのか、積極的にゴール前に顔を出す選手が増えて、攻撃が分厚くなったように思えた。
名古屋は押し込まれて、自ゴール周辺からなかなか出られないまま、53分にパトリックにゴールを許す。
66分にはクロスからパトリックの決定的なシュートを食らうが、ここはランゲラックが好守。
72分にはまたゴール前でごちゃつく中、パトリックに拾われてゴール…と思ったが、これはオフサイドで助かった。
その後も名古屋が優勢とは言い難い試合展開が続いたが、ガンバも焦りが出てきたか、思うようにボールが回らなくなり、名古屋の守備に手堅さが感じられるようになってきた。終盤は森下を右サイドバックに入れる、近頃お馴染みの5バックで逃げ切りに向かい、3対1で名古屋が勝利。

名古屋の快勝ではあるけれど、オフサイドになったパトリックの2点目が決まっていたら、どうなっていたかな、という気はした。神戸戦、仙台戦を思わせる後半の失速は、こうしてみると、選手の疲労だけでなく、戦術的な要素もなくはないのかなという気がしてくる。でも、あと2試合しかないんだし、いまさらその辺をどうこういうような時期でもないだろう。得点は3点とも素晴らしかったし、素直にいい勝ちだったということでいいかなと。
シュヴィルツォクはこのところ、試合を重ねるごとにフィットしてきているようで、シーズンが終わってしまうのがもったいない感じ。
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ビジター席の名古屋サポのみなさん。
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J1リーグ第35節 仙台対名古屋

2021.11.7(日) 14時 ユアテックスタジアム仙台
観客 8341人 主審 岡部拓人 副審 木川田博信、森川浩次

 ベガルタ仙台 1(0−1)1 名古屋グランパス
         (1−0)

 得点 14分 名古屋・柿谷
    47分 仙台・西村

現地観戦。

名古屋の先発はDFが宮原、中谷、木本、吉田。ボランチは稲垣、長澤。前は、相馬、前田、マテウス、柿谷。
キム ミンテが、ベンチにも居ないのが気になるところだった。

前半は名古屋ペース。特に左サイドからの相馬の意欲的な仕掛けが目についた。
14分には相馬が左サイドを攻め上がり、ゴール前の前田へパスを送ると、前田が少し戻し、柿谷がゴールへ蹴りこんで名古屋が先制。いい試合運びに見えた。
攻撃的な試合運びをしていた分、仙台に攻め込まれる場面もあったが、ゴール近くの決定機まで持ち込ませることはなく、長い距離からのクロスやシュート止まりで、ほとんど危険は感じなかった。
ただ、自分たちの呼吸が合わずに、少しひやりとする場面があったのと、攻撃についても、精度がもうひとつな長いパスが次第に目立ってきて、少し粗いなと思っていた。
とはいえ、優勢な状況は保ったままで折り返し。

しかし後半立ち上がり、ゴール前を崩され、失点してしまう。多分、仙台のこの試合初めての決定機を物にされた形。名古屋が優勢な雰囲気は変わらなかったが攻めあぐむ気配はあり、8分にマテウスと相馬をシャビエルと森下に代えた。シャビエルはパスで攻撃を組み立てて、攻め方を切り替えてきて、これはかなり効果があったと思う。その後、柿谷をシュヴィルツォクに代えた影響もあり、相手陣内に押し込んでゴールに迫った。25分過ぎには分厚い攻撃であと一息まで行ったが、最後に稲垣が押し込みきれなかった。稲垣が押し込めない試合は危ないというイメージがあるので(^_^;)、これはダメなパターンかも、と思い始めた。
以降も後半の後半には決定的な形を何度も作ったが、最後の所でパスが合わなかったり、仙台の粘る守備に阻まれたりで、どうしてもゴールに届かない。
逆にロスタイムに仙台にCKを与え、そこから決められて、やられた、と思ったが、ここはオフサイドで助かった。
1対1の引き分けで終了。

名古屋が取りこぼした感は否めない。いまひとつ噛み合わなかったのは、やはりハードスケジュールから来る疲労が影響していたのか? 確かにボールを追いきれていない場面が結構多かった。
まあ、これでようやく過密日程は終了だし、可能性はかなり低くなってきたとはいえ、まだACL出場権という目標は残っているわけでもあるから、気を取り直して、2週間後の次の試合に臨んでほしいと思ってる。
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名古屋サポのみなさん。
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[参考]
2020年以降のユアテックスタジアム仙台開催のベガルタ仙台対名古屋 COVID19の影響
2020.2.22 リーグ戦 通常開催。COVID19の影響を受けずに通常開催された、最後の名古屋の試合。
2021.11.7 リーグ戦 ビジター席有り、観客数約9500人上限での開催

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J1リーグ第34節名古屋対柏

2021.11.3(水祝) 15時 豊田スタジアム
観客 14435人 主審 福島孝一郎 副審 八木あかね、松井健太郎

 名古屋グランパス 2(1−0)0 柏レイソル
           (1−0)

 得点 34分 名古屋・シュヴィルツォク
    71分 名古屋・中谷

現地観戦。

名古屋の先発はDFが宮原、中谷、キムミンテ、吉田。ボランチは稲垣、木本。前はシャビエル、前田、マテウス、シュヴィルツォク。

ルヴァン杯決勝・優勝から中3日の影響か、名古屋の立ち上がりは、なんとなくふわっとしていた。開始早々、決定的なシュートを打たれたが、わずかに外れた。その後も押され気味で、ランゲラックの好セーブで逃れる場面もあり、こういうのが続くとえてしてという、イヤな連想が働いた。
しかし、名古屋は次第に落ち着いてきて、むしろ優勢に試合を運び始めた。34分、相手ゴール近くでのスローインのボールを、シュヴィルツォクがはたいて稲垣へ送り、自分はゴール前へ。稲垣からのリターンを受けると、巧みに柏の守備をかわし、GKもかわしてゴールへ流し込んで先制。シュヴィルツォクの技術の高さを改めて感じる先制点だった。
そのまま名古屋のリードで前半は終り。
後半はシャビエルと前田を、長澤と森下に代えてスタート。3ボランチのシステムに代えた。ただ、これはいまいちはまっていないように見えて、マッシモもそう感じたのか、13分には木本を柿谷に代えた。柿谷とシュヴィルツォクを前に置き、森下をバックラインの宮原の外側に張らせた、5-3-2のような形に見えた。これで守備的には安定感が増した気がする。
そして25分頃、相手ゴール前でマテウスからのパスを柿谷がシュヴィルツォクに流し、ゴールの左手前、角度のない所からシュヴィルツォクがシュート。GK?がなんとかクリアしてCKになった。これをマテウスがゴール前へきっちり入れて、中谷が決めて2対0。
あとは守ればいいだけ。39分にシュヴィルツォクとマテウスを金崎と相馬に代えて、金崎1トップ、柿谷が左サイドに下がり、守備的布陣で守りきった。

名古屋は、序盤のもたつきだけでなく、試合を通しても、調子のいい相手なら付け込まれたんでは、と感じるようなミスが、いくつかあったように思う。柏は明らかに不調で、そういう対戦相手なので助かった気がする。日程の厳しさから来たものと思うので、仕方ないだろうなと感じるし、そういう条件でも勝ち点3を取れたのは、よくやったとも思う。
あとは、この試合も、シュヴィルツォクが巧さを見せてくれたなあ、という感じ。いっとき、マークが厳しくなって、活躍が鈍って見えたけれど、そういう中でのプレーの仕方を、きっちり編み出してきたかなと思う。相当いい選手なのは間違いないんだろう。
20211103board 20211103pitch 20211103score1 20211103score2柏サポのみなさん。
20211103kashiwa試合後、ルヴァン杯優勝トロフィーを囲んでの記念撮影、のはずだけど、この写真ではどこにトロフィーがあるか、わからないな(^^;
20211103photo

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YBCルヴァン杯決勝 名古屋対C大阪

2021.10.30(土) 13時 埼玉スタジアム2〇〇2
観客 17933人 主審 家本政明 副審 唐紙学志渡辺康太

 名古屋グランパス 2(0−0)0 セレッソ大阪
           (2−0)

 得点 47分 名古屋・前田
    79分 名古屋・稲垣

名古屋が初めて進出したルヴァン杯(ナビスコ杯含む)決勝。現地観戦。COVID19感染対策の影響で、キャパは2万人だった。COVID19ワクチン接種完了者対象のバックアッパー席での観戦になった。
チケットは一応完売していたが、重複して取ってしまったサポもかなりいたようで、多分、その影響もあって、観客数は約18000人。

名古屋の先発は、DFが宮原、中谷、キム ミンテ、吉田。ボランチが稲垣と木本。前4人は相馬、柿谷、マテウス、前田。
セレッソに完敗した水曜の試合と、かなりメンバーは変わっていた。キム ミンテが復帰したのが心強かったのと、水曜に出番がなかった前田は、展開を見て、この試合に向けて温存したのかなと思った。他は、通常のローテーションだった気がする。マッシモは、その時、一番調子のいい選手を使ってると言っているし。

立上りは、このところの好調さを感じさせる前田が走り回り、チャンスも何度か作れていたが、物に出来ず、そのうちセレッソがボールを支配し始めた。時間が経つにつれて、名古屋はどんどん自陣から出られなくなった。前へボールを供給しても、すぐに失ってしまって、攻撃の形を作れない。守備的な場面で、ミンテに頼もしさが感じられたのは良かったけれど、得点の可能性はほぼ感じられず、勝機が見えなかった。
もっとも、試合後のインタビューを見ると、前半はとにかく無失点で行くという方針だったようだから、積極的に上げていかなかったのは想定通りだったのかもしれない。セレッソに攻められ続けた割に、決定的に見えた場面はロスタイムの坂元のシュートくらいしかなかったから、堅守だったのは確か。セレッソにボールを持たせていた、と言えるほどの余裕までは、なかったように思うけれど。

後半立ち上がり、いきなり相馬が左サイドを抜け出して、中へパスを送り、クリアされてCK。相馬がこれを蹴って、ゴール前で柿谷がさわったボールが流れて来たのを、前田が頭で合わせてゴール。前半、あれほど押され放しだった名古屋が、まさかの先制だったが、これも前半は耐えて、後半勝負という作戦だったとすれば、いきなりの相馬の突破も分かるような気がするし、想定通りだったのかもしれない。にしても、見事に決まった。
しかし、この後は耐え忍ぶ試合展開になった。先制された分だけ、セレッソの攻撃は厳しくなってきた。そういう中で、まず前田と相馬が齋藤と長澤に交代。木本がアンカーで、その前に稲垣と長澤という3ボランチで、守備を厚くした。このところ、選手の顔ぶれが揃わないことで、こういう形でボランチを使うことが出来なくなっていて、それが試合の結果が伴わない原因だったと思う。決勝で出来るようになっていたのは、本当に良かった。
さらに73分には、柿谷をシュヴィルツォクに代えた。シュヴィルツォクが前に張ることで、セレッソに警戒感を持たせることが出来たし、この試合のシュヴィルツォクは、今までの印象と少し違って、状況に応じて、うまくファールを貰うなど、柔軟なプレーをしていたように見えた。今まで感じていた以上に、巧くて賢い選手なのかもしれないと思った。
78分にセレッソにゴール前に迫られ、きわどく防いだのだけど、この時に木本が負傷したらしく、ピッチから運び出された。この中断の後のリスタートで、左サイドから齋藤が仕掛けた。ボールはいったんこぼれたが、シュヴィルツォクが拾い、強引にゴール前に持ち込んでシュート。GKにはじかれたボールを、稲垣が走り込んで叩き込んでゴール。これで2-0。シュヴィルツォクの投入が、ここでも生きた。そして肝心な時に稲垣が決めてくれる勝ちパターンに入った。
木本は森下に交代し、森下は宮原の右側に入って、5バックになったように見えた。マテウスが下がり気味で、3ボランチぽくなり、前はシュヴィルツォクと齋藤が走り回って、セレッソを牽制し続けた。そのまま試合終了。名古屋がルヴァン杯初優勝を決めた。

前半の状況からは思いもよらない後半の展開だったけれど、文中にも書いた通り、実は狙い通りの試合運びだったのかもしれない。それを完遂した選手たちが偉かったということかな。
水曜の試合があったので、どう戦うべきかという戦略を立てやすかった面はあるのかもしれない。セレッソは大きくメンバーを変えてきてはいたけれど、基本戦術自体にぶれはなかったように感じたので、名古屋は対応しやすかったかも。
そういうふうに、マッシモの戦術的な部分をあれこれ考えさせられるという意味でも、印象に残る試合だった。
まあ、それ以前に、ついにルヴァン杯で優勝した、という試合だったわけだけれど。長い道のりだった。92年の最初の準決勝進出の時は、まだJリーグ自体にそれほど関心がなかったけれど、それ以降、準決勝で敗退するのを目の当たりにしたり、いろいろ見てきたからね。感慨深い29年目の初優勝だった。
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天皇杯準々決勝 名古屋対C大阪

2021.10.27(水) 18時 豊田スタジアム
観客 5202人 主審 笠原寛貴 副審 野村修武田光晴

 名古屋グランパス 0(0−2)3 セレッソ大阪
           (0−1)

 得点 32分 大阪・鳥海
    38分 大阪・チアゴ
    62分 大阪・アダム タガード

土曜のルヴァン杯決勝の前哨戦。
スポーツライブ+で深夜に録画中継があったので、録画しておいて翌日に見た。どうせ結果は分かってしまうと思ったので、試合の後に結果だけは見て、0-3で大敗したことは知っていたけれど、内容的にそこまで悪くないかもしれないし、という気持ちもあったので、確認する意味もあった。

名古屋の先発は、DFが成瀬、中谷、木本、吉田。ボランチが稲垣と長澤。前4人はマテウス、柿谷、森下、シュヴィルツォク。
DFにミンテが居ないのは、札幌からのシーズン途中の移籍加入だった関係で、出場選手に登録できなかったかららしい。その結果、長澤は戻ってきたが、木本をCBに使わざるを得なくなり、マッシモが布陣を変える上で肝になっているボランチの使い方に、(この前の神戸戦同様)幅がなくなってしまった、という感じ。

試合の序盤は、名古屋の方がボールを持っている時間が長かった。9分に稲垣がミドルを打って、GKがはじいた所へシュヴィルツォクが詰めるという場面があったが、DFに阻止された。持っている時間が長い割には、決定的に見えた場面はこれくらいで、むしろセレッソが時折仕掛ける攻撃の方が、うまく機能していて、ゴールの可能性を感じさせるシュートも打っていたと思う。名古屋はボールを持たされていた、という印象が強かった。
30分頃からセレッソの名古屋のゴール近くでの攻撃が続き、決定的な形もいくつか。ランゲラックが好守連発でゴールを守り続けていたが、そういう中で32分に、CKからセレッソにゴールを決められ、先行された。
さらに38分にも、きわどいシュートをランゲラックがファインセーブしたボールがCKになり、またもやここから決められて0-2。2点のビハインドを背負っての折返し。
後半頭から、成瀬を相馬に代え、森下を右SB、相馬を左サイドへ入れた。ただ、これだけでは試合の流れはあまり変わらなかった。
少し変化が見られたのは、52分に長澤、マテウス、柿谷を、藤井、シャビエル、金崎に代えてから。金崎の前線でのキープ、シャビエルから相馬への効果的なパスなどで、続けてチャンスを作り、得点までもう一息という場面が見られるようになった。59分にはシュヴィルツォクのFKから、決定機が生まれたが決まらない。そしてその後、セレッソに自陣へ持ち込まれ、DFがクリアしても相手陣内まで押し戻せないまま、62分に3点目を叩き込まれる。これでほぼ試合は決まった。
その後、木本を宮原に代え、森下を中盤に動かしたが、逃げ切りに入ったセレッソの守備を崩すことは出来ず、0-3の完封負け。天皇杯敗退が決まった。

残念ながら、内容的にも0-3の試合だったと思うし、名古屋が、3日後のルヴァン杯を意識してメンバーを落とすようなことは、していなかったことを考えると、3日後も厳しいんじゃないんだろうかと思ってしまった。ただ、キム ミンテが居なかったことが、この試合の劣勢の大きな原因の一部だったとは言えると思うので、彼が戻ってくるルヴァン杯決勝では、ここまで簡単にはやられないんじゃないかな、とも思う。
とはいえ、このところ、重要な試合を3連続で敗戦、または、勝ち切れずに終っているのは確かで、流れが良くないのは間違いない。疲労などの理由はあるのだろうけど、そこをなんとか、うまくやってくれることを期待したいと思う。
(2021.10.29)

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J1リーグ第33節名古屋対神戸

2021.10.24(日) 15時 豊田スタジアム
観客 19257人 主審 今村義朗 副審 西橋勲、山際将史

 名古屋グランパス 2(2−0)2 ヴィッセル神戸
           (0−2)

 得点 6分 名古屋・前田
    14分 名古屋・シュヴィルツォク
    59分 神戸・武藤
    81分 神戸・イニエスタ

久々のリーグ戦現地観戦。

名古屋の先発はDFが宮原、中谷、キムミンテ、吉田。ボランチは稲垣、木本。前はシャビエル、前田、相馬、シュヴィルツォク。

頭から攻撃的に打って出る立ち上がりだった。神戸のスタイルを研究した上での入りだったのかもしれない。神戸の攻撃的な高いバックラインを、前半の名古屋はうまく攻略して、開始6分にシャビエルが右サイドから左サイドを上がってきた相馬にロングパスを通し、持ち上がった相馬がゴール前に入れたクロスを、逆サイドから入った前田がきっちりゴールへ流し込んで、名古屋が先制。鮮やかなゴールだった。
14分には後方からのボールを受けたシュヴィルツォクが裏へ抜け、寄せてくる神戸DFを次々かわして、きっちりゴールへシュートを決めた。久々に見る、シュヴィルツォクの高いスキルが感じられる得点だった。
その後も名古屋は優勢に試合を進め、追加点機もあったが、これは決まらず。ただ、焦れた神戸の選手たちが次々警告を貰うほどには、名古屋の優勢は歴然としていた。大量点差で名古屋が勝つ可能性もありそうに思えた。

しかし後半は、一転して神戸に押しまくられる展開になった。
神戸が後半頭から投入したボージャンが存在感を見せて、神戸の前線に厚みが増し、名古屋はなかなか自ゴール前から出ていくことが出来ない。神戸のセットプレーが続き、ランゲラックの好セーブの連発などで凌ぎ続けたが、59分についにCKから武藤に決められて失点。
その後、名古屋も反撃して、得点機を作ったが決まらず、再び劣勢な流れが戻ってくると、75分過ぎに武藤にペナルティ内に入られ、吉田がタックルに行って倒してしまう。VARになり、時間を掛けた検証の結果、今村主審の結論はPKで、イニエスタに決められ同点。
その後は、神戸が、あまり無理しない試合運びに切り替えてきたようだった。順位的には引き分けでOKと割り切ったのかもしれないし、87分にボージャンが故障で退いた影響もあったかもしれない。そういう相手に、名古屋は有効な攻め手を見つけられず、引き分けに終わった。

3位神戸、4位名古屋の直接対戦で、ACL出場権を考えると、かなり重みのある試合だったのだけど、名古屋は勝ちきれなかった。明らかに後半、失速していたところが、先週の浦項戦を思わせたから、連戦の影響が出てきているのかもしれない。
前半に押しまくっていた間に、もう少し得点を積み増し出来ていれば良かったんだが、と思った。
もっとも、後半は、ランゲラックの好セーブ連発がなければ、同点では済まなかった可能性もあった。前半の猛攻の印象が強かったので、勝ちを逃した気分だったけれど、実際には、引き分けで済んで助かったという試合だったのかもしれないな。
まあ、順位に関しては、マッシモも言っているように、これで決まったというようなタイミングでは、まだないと思うので、そんなに大騒ぎすることでもないと思うけれどね。
この試合もシャビエルが良かったと思う。前半の終盤には動きが落ち気味で、52分に交代したけれど、先制点を引き出したパスは素晴らしかったし、周囲の選手との連携もよく取れていたと思う。ただ、前半の終盤にあった決定機を、GKに止められてしまったのが…。後になってみると、あれが決まっていれば、という場面だったなと思う。
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豊田スタジアム20周年記念の試合だった。もう20年、豊田に通っているんだな。スタジアムが出来るまでは、どこにあるのかも、ろくに知らない場所だったんだけど(^^;
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ACL 準々決勝 浦項対名古屋

2021.10.17(日) 14時 全州ワールドカップスタジアム
観客 人 主審 アリレザ・ファガ二 副審 モハマド レザ マンスーリ、モハマド レザ アポルファズリ

 浦項スティーラーズ 3(0−0)0 名古屋グランパス
            (3−0)

 得点 53分 浦項・イム サンヒョプ
    69分 浦項・イ スンモ
    90+4分 浦項・イム サンヒョプ

DAZNでリアルタイムで見ていた。

名古屋の先発はDFが宮原、中谷、キムミンテ、吉田。ボランチは稲垣、木本。前はマテウス、柿谷、森下、シュヴィルツォク。

前半は双方とも、特に極端な試合運びは見せずに、五分五分に渡り合っていた印象だったけれど、名古屋に少なくとも2回、決定的な場面があったのに対し、浦項にはそういう場面はなかったと思う。そういう意味では、名古屋が優勢だったし、どちらかを決めて、先行していれば、違う結果だったんじゃないかな。
後半は名古屋が押され気味な立ち上がりだった。なかなか自陣から出ることが出来ず、それでも決定的なチャンスは与えていなかったと思うが、8分に与えたCKからのボールがゴール前で混戦になり、イム サンピョフに押し込まれて先制を許す。
ここから名古屋は攻勢に出ようとした。11分に森下に代えて前田が入り、16分にはマテウスに代わって相馬が入った。前田がよい動きを見せて、決定的な形を作りかける場面もあったが、決めきれなかった。前半にもそういう場面があったのだけど、シュビルツォクが、来日直後のような華々しい決定力を見せられなかったのが残念だった。まあ、研究されて、マークが厳しくなっているということなのだろうけど。
リードしている浦項の方が優位な状況で試合は進み、24分には押し上げたバックラインの裏に中盤からボールを入れられ、イ スンモに決められて2点目を失う。事故的な最初の失点とは異なり、崩されてのものだけに手痛く感じられたし、点差が2点に広がったことで、状況はかなり厳しくなってきた。
その後も浦項は積極的に攻めてきたので、名古屋は一方的に攻め込む時間帯をあまり作れなかった。それでも終盤には、相手陣内でゴールに迫る場面が何度かあったけれど、決定的な場面には至らず。ロスタイム、主審が1分以上早過ぎる終了の笛を吹いてしまい、ミスを認めて、改めて再開したが、そこでおまけの失点をして0-3で終了。今回のACLは準々決勝での敗退となった。

スコア的には完敗だが、前半はむしろ名古屋が優勢だったし、失点のうち1点目は事故、3点目はおまけと考えれば、それほど差があったとは思わない。先にも書いたが、むしろ前半の決定機に名古屋が得点出来ていれば、結果は違ったと思う。成り行きでこうなってしまった、という感じ。
ただ、ボランチの長澤がメンバー外だったことや(理由は不明。コンディション不良?)、後半、明らかに名古屋の動きが落ちた一方で、浦項はペースを維持できたことに、浦項に自国開催の利があったかな、ということなど、こういう結末につながった要因はいくつか思い当たるので、まあ、運もなかったんだろうな、という気がする。単純な力負けではない、残念さが残る結末になってしまったな、とは思う。

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YBCルヴァン杯準決勝第2戦 東京対名古屋

2021.10.10(日) 14時 味の素スタジアム
観客 9910人 主審 松尾一 副審 大川直也森川浩次

 FC東京 2(1−0)1 名古屋グランパス 
       (1−1)

 得点 15分 東京・アダイウトン
    55分 東京・高萩
    80分 名古屋・稲垣

 (2戦合計、名古屋4-3東京で、名古屋が準決勝を勝ち抜け)

現地観戦。もっともビジター席ではなく、南スタンドだったので、あくまでも一般客ということでの観戦(^_^;)。

名古屋の先発は、ディフェンスが森下、中谷、キム ミンテ、吉田。3ボランチで、木本、稲垣、長澤。ただ、アンカーの木本は、すぐにバックラインに下がれる構えだったと思われ、序盤から東京に攻め込まれて、実際、そうなっていた感じ。前はマテウス、前田、柿谷。

名古屋の2点差リードなので、当然、東京は立ち上がりから攻勢で、名古屋は受ける形。第1戦前半の先制後のような、守れてはいるけれど、引きすぎなように思える、あまり良くない雰囲気だった。15分にはCKからの流れで、早々とアダイウトンにゴールを決められ、いよいよ嫌な気配。それでも危ない形を、その後、何度も作られつつも凌いだし、得点機も2-3回作れていた。何とか持ちこたえるか、やられてしまうか、五分五分かなと思って、後半を迎えた。

前の試合と異なり、後半で立て直すという感じもなく、開始早々、前田をシュヴィルツォクに入れ換えたものの、それが効果を発揮する前に、10分にディエゴ オリヴェイラの突破から高萩に決められ失点。やられてしまった。これで2試合合計で、ビジターゴールの分だけFC東京が上回ることになり、名古屋が決勝に進むには、得点しないといけなくなった。
シュヴィルツォクが前に入ったことや、東京が守りきれば準決勝突破の形になったことで、名古屋が相手ゴールの近くでボールを持つ時間は増えたが、なかなか決定機まで至らない。
24分にマテウスをシャビエルに代えた。マテウスは、前の試合もそうだったが、気合いが入りすぎてるように見えた。プレースキックは大きく外れる場面が多かったし、チーム内の連携もうまく行ってなかった。その辺をシャビエルが、チームを落ち着かせて、攻撃にまとまりをもたらしたと思う。
それでも守りきろうとする東京の守備をなかなか崩せなかったが、35分、左からの吉田のクロスをとっかかりにゴール前で混戦状態になり、大混乱の中、ついに稲垣が押し込んだ。これで2戦合計で名古屋がリード。
そのまま名古屋が逃げ切り、ナビ杯開始から29年目で初めての決勝進出を果たした。

紙一重の試合だった。守り切ることの難しさを感じさせる試合だったなと思う。
それにしても、こういう場で決定的な仕事をしてしまう稲垣は、今年は本当に神がかっている。
ついに決勝進出だけど、ここまで来た以上は、ついでに初優勝といきたい所。最初の開催から、29年も経ってるんだから。もう十分待っただろう。
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名古屋サポ。
20211010nagoya

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