鳥獣戯画がやって来た!

東京ミッドタウンに出来たサントリー美術館の開館記念特別展。鳥獣戯画の絵巻の一挙展示という趣旨の展覧会。

ただし、絵巻は一部しか開いておらず、会期中に開く位置を変えていくらしいんだけど、今日時点ではどの絵巻も肝心な所が開いてなかった印象。ポスターに載っている有名な相撲の場面も出てなかった。さらに展示の一部は、今月半ば以降にならないと出て来ないらしく、なんだよ、それ、という感じ。もっとも、開いている所を見た限りでは、仮に肝心な所が開いていたとしても、それほど大したもんなのかな、という気もしたが。

ただ、鳥獣戯画の影響を受けているというだけのかなり強引な理由で、同時に展示されていた絵巻の数々に(多分、鳥獣戯画だけでは展示内容が少な過ぎて、展覧会が成り立たなかったんだと思う)、かなりキレたものが多くて、単純に面白かったので、それなりに楽しめたかな、とは思う。
屁コキ合戦とか、ここには書くことをはばかられるナントカ比べとか、雀が出家して諸国漫遊しちまう話とか、まるっきり少女マンガなやつとか。最後のやつなんか、日本人のこういうものへの嗜好って、少なくとも室町時代から、そんなに変ってないらしいと、しみじみ思った、

同行者のご招待で、入場料を払わずに入ったこともあり、最終的には、まあいいか、という気はした(^^;。

  20071103

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怪獣と美術

三鷹市美術ギャラリーという、三鷹駅の真ん前にあるビルに入ってる美術館でやってる展覧会へ、JFLへ行く前に寄った。サブタイトルが、「成田亨の造形美術とその後の怪獣美術」ってことで、まあ、そういう展覧会。(リンク → http://mitaka.jpn.org/calender/gallery/)

以前はそういう方面の趣味を持っていたから、結構いろんな本や雑誌で、一般的な人よりは、成田亨のデザイン画とか、見てる部類だと思うんだけど、原画で見ると、やっぱり違う。というか、雑誌とかだと、ふーんという感じで、流し見してしまうけど、目の前に現物が展示されていたら、やっぱりちゃんと見るものな。確かに成田亨の怪獣造型は特別なものだなと思った。ただ、後年になって、それらをベースにして描かれた絵なんかは、昔のイメージをひきずり過ぎていて、ただの怪獣絵になってしまってる面が否めないようには思えた。カネゴンの絵だけは、カネゴン自体の、他の怪獣とは異なる特殊さが、それを救っていた気がするけど。

高山良策、池谷仙克、原口智生の展示もあり、高山良策の、怪獣造型とは別に製作された作品群は、全く別世界で、かなり衝撃力のある前衛アートと思った。この人は、成田亨ほど作家性と怪獣が密着していなかった(あくまでも職人として、怪獣を作っていたという印象がある)のが、前衛アーティストとしては、かえって良かったのかも知れない。
あと、池谷仙克、原口智生は、アーティストというより、職人的な造型作家なんじゃないかなと思う。

  20070909tike

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20世紀美術探検

1週間前に行った。国立新美術館へ行って、外観だけ眺めて帰るつもりが、案外、込んでなさそうなので、同行者が中に入りたいと言って、結局、2つやってる開館記念展のうち、入場料が安い方(^^;に入ったもの。まあ、こっちの方が趣味だったというのもあって。

ただ、あんまりぱっとしなかった感じ。
印象が強かったのは、第3インターナショナルへのモニュメントとかなんとかいう、ソ連の芸術家が構想して、結局作られなかった巨大なタワーを、実際に作られた物として、CG合成で実際の風景に入れ込んで作った映像作品。でも、これって、怪獣映画で秘密基地とかを実景に入れ込んでるのと、どれだけ違うのかな(何も違わないんでは)という気はしてしまったけど。タワー自体の形状の芸術性ってのはあるにしても。
その他に印象に残ったものが何かあったかというと、あんまり。まあ、現代アートつっても、いろいろあるし、あんまりこっちの気分に合うものなかった、というところなんだろう。あと、思いつきで日用品を並べてみただけ、みたいに見えるものとか、その辺の街中のインテリアみたいなのとか、そういうのをわざわざ展覧会で見ることに、どれだけ意味があるんだろうな、という気持ちは日頃から持っていて、その尺度に照らすと、これってどうなんだろうなと思ってしまうタイプのものが、結構多かったと思う。

それとは別に、展示の仕方にも、いろいろと疑問があった。作品の表示の仕方が非常にいい加減で、何が展示物なのか、容易に認識出来ない場所が結構あった。なにせ現代アートだから、一見したところでは、何がアートなのか、分からない物もあったりするわけで。展示室の装飾かと思ったら、展示だったり、展示かと思ったら、ただの看板だったり(^^;。それが狙いなら、それはそれでいいんだけど、どうもそうではなくて、ただの不親切・配慮不足と思われ、その辺がどうにも納得出来なかった。

この美術館の建物自体、あんまり趣味がいいとは思えない。外側に張り巡らされたガラス板は足場みたいに見えて不細工だと思ったし、中のレイアウトも、あんまり気が利いてない。わざわざ新しく作ったにしては、かなりお粗末という印象を受けた。

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ダリ回顧展

先月末に、上野でやってるダリ回顧展に行った。さる所から、チケットを頂いたこともあって。
平日の夕方に行ったんだけど、平日とは思えんような混み方だった。場所もいいんだけど、さすがはダリってことなんだろう。自分自身、ダリそのものには、それほど興味はないけれど、行けるんだったら、話の種に見に行ってみるか、と思ったくらいだから。

展示そのものは、まあ、こんなもんか、という感じ。ダリって、根本的にはそれほどイマジネーションがある人ではなかったんじゃないのかな、という気がした。有名な溶けた時計とか、そこいら中で描いてて、ひとつ、うまいアイディアを思いついたら、それをとことん使い切る、みたいな印象。かなり皮相的な思いつきだけで描いているような感じを受けた、絵もあったなあ。絵そのものは、それなりに巧いようなんだけど。

それと、ダリが先駆けだったのは分かるんけど、ああいう超現実的な絵てのは、今はそこいら中にあふれているので、見ていて、あんまり新鮮味がなかった。これだけフォロワーを作り出したという点で、大きな存在だったのは分かるけど、今の時代では、それがかえって、あだになってる気がする。
モンドリアンやポロックも、そんな風な所があるんだけど、にもかかわらず、ポロックの絵の実物をMOMA展かなんかで見た時は、感動があった。ダリ展には、そういうものはなかった気がする。なぜかはよく分からない。
ただ、ダリの実物を見たぞ、という満足感はあったので、それはそれで良かったなと。

実のところ、この日、一番感動したのは、売店で売ってたゴッホ人形。耳がマジックテープで付けてあって、外れるようになっていた。感動の余り、買おうかと思ったくらい(^^;。(買わなかったけど)

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ホテルオークラ東京「花鳥風月」

16日にお付き合いで、ホテルオークラの展覧会へ行った。「第12回 秘蔵の名品アートコレクション展 花鳥風月[日本とヨーロッパ]」というのが、正式タイトルなのかな? 長い(^^;。
日本とヨーロッパの花鳥風月の絵画を集めて展示するという趣向。趣向に合わせて持ってるものを出しました、みたいな感じで、展覧会として、特にテーマを訴えるようなものではなかった。ひとつひとつの絵についても、それほど強く印象に残るものはなかったけど、円山応挙のうぐいすの絵と、モネのチャリングクロス橋の絵が良かったかな。渡辺華山や、葛飾北斎の有名な虎(虎に見えないが(^^;)の絵もあった。広々として、見やすかったのは良かった。

そのチケットで、ホテルオークラの近所の大倉集古舘と泉屋博古館分館にも入れるというので、ついでに寄った。大倉集古舘は明治の金持ちが、道楽で古い物(怪しげな仏像とか)をいろいろ集めたのを、ずらっと並べた感じの場所。「GOLD」というのをテーマにした展示をやっていた。そんなに深い感じではないけど、建物自体の雰囲気を含めて、気楽な感じが結構楽しかった。泉屋の方は、「分館」だからなのか、展示スペースはそんなに広くないし、明治以降の日本の洋画が主体の展示で、あんまり気に入った絵もなかった。

ホテルオークラなんて、日頃、あんまり縁のない辺りへ行ったけど、なんかセレブな雰囲気が立ちこめていたなあ(^^;。

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国芳・暁斎展

東京ステーションギャラリーに国芳・暁斎展を見に行った。(これ
半分おつきあいで行ったようなもんで、浮世絵について、特に知識があるわけでもないが、中途半端にヨーロッパの絵画を見に行った時より愉しめたのは、やっぱり日本の文化には馴染みがあるからだよな。まあ、ものすごく巧い、とか、感情を揺さぶられるような、インパクトの強いものはなかったけど、洒落っ気がある所は愉しかった。こういうのが江戸っ子の粋ってもんなんですかね。
日本の古い絵を見ると、いつも思うことだけど、どことなくマンガみたいな所があった。特に国芳が、かな。そういうのを見ると、マンガってのは、紛れもなく日本の文化の流れの中にあるもんだなと思う。
あと、江戸末期から明治に掛けて活動していた人たちなので、作品も双方の時代にまたがっており、江戸から明治にかけての文化の連続性ということについても、漠然と考えてみたりした。

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真鍋博展

東京駅のステーションギャラリーでやってる真鍋博展を見に行った。(これ
早川書房の出版物や創元推理文庫などで馴染みのあったイラストレーターだけど、一般的には星新一の本の表紙絵なのかな。それとも、星新一も既に一般的ではなくなっているか?
馴染みがあるので見に行った結果として、展示物を見て、これは読んだ、これは見たことある、みたいな反応になってしまったのは、否めない(笑)。ミステリやSF以外でのいろいろな仕事を、まとめて見れたことの方が面白かった気がする。
独特な未来絵で有名だった人だけど、そういう絵は、やっぱり70年代までのものだった感じ。ただ、そういう固定的なイメージの外側でも、精密な線で職人芸的な仕事をしていたというのが、よく分った。
都筑道夫などと組んで作った短い映像作品の展示もあり、いかにも60年代風なシュールなイメージで面白かった。

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MoMAニューヨーク近代美術館展

六本木ヒルズの森美術館でやってるのを見に行った。(ここ
モンドリアンとか、ポロックとかが好きだったりするんで、見に行ったけど、そんなに面白いものはなかった気がする。特に80年代から後くらいの作品展示は、その辺の街中のディスプレイとか、グラビアに載ってるちょっと気の利いた写真とか、MTVのクリップとかと、どう違うんだ?、みたいなものが多くて。逆に、美術的なものが、世の中にあふれ過ぎてるということなんだろうか。
もっとも、「information」とかいう映像展示が妙に気に入って、ぼーっと見てたけど、30分もあることに気付いて撤退してしまったりして。美術展を見るからには、ほんとは、そういうのをずっと見てるくらいの気持ちの余裕がないといかんのだろうな。
それはそうと、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの「RENEGADES」のジャケットは、ロバート・インディアナの「LOVE」っていう有名な作品(展示があった)をモチーフにしたものだったんですね。こういうのって、アメリカのその筋の人たちには基本教養だったりするんだろうか。異文化のものを、バックグラウンドも含めて理解する難しさを、改めて感じた気分。

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ディック・ブルーナ展

お付き合いで板橋区立美術館へ。ミッフィーなど、ブルーナの作品の展覧会。
ミッフィーの絵そのものは見慣れているし、何年か前に新宿三越?であった展覧会も行ったから、それほど目新しいものではないけど、ブラックベアというオランダのペーパーバック・シリーズのカバーを、ブルーナがデザインしていたということで、それの展示が充実していたのには興味を引かれた。三越の展覧会でも展示はあったと、同行者は言っていたけど、ここまで大規模なものではなかった気がする。ハヤカワ・ポケミスみたいな叢書のようで、かなりさまざまなミステリの表紙が展示されていた。特にシムノンが目立ったけど、ブルーナとイメージがかけ離れているレスリー・チャーテリスやピーター・チェイニーなんかも多数あったのが、面白かった。
併設のカフェでは、素人の手作りみたいなミッフィー・パンを売っていたけど、700円たあ驚いた。ライセンス料が高いんだろうか。
bruna.JPG 美術館は外壁までいじってた。

美術館を出た後、上赤塚の駅まで歩いた。途中、東京大仏という、怪しいものも見物出来た。

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